「賃貸住宅・医療福祉施設」建築実例集 〈東京医師歯科医師協同組合〉
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賃貸住宅(低層)賃貸住宅(中高層)医療・福祉施設45勤務していた総合病院を退職された先生は、10年ほど前に「ものがたり診療所」と別棟の「ものがたりの郷」を開設しました。「ものがたりの郷」は制度上は16室の賃貸アパートで、入居した終末期の患者さんたちヘ「病院の安心と在宅の自由」の両立を提供していました。しかし、時代と共に社会状況も変化し、進む高齢化に福祉の仕組みや常識も変わり足りない物も見えてきました。それは、“生活感”です。それにより誕生したのが、スウェーデンハウスで建築された「ものがたりの街」です。敷地内には、だれもが利用できるカフェや日時の単位でお店を出すことができるショップが併設されました。「とにかく安心して過ごしてほしい。私はここでの『安心』には、いくつかの要素があると思っていて、その1つが、スウェーデンハウスだと思っています。私たち医療従事者は精神的にサポートします。けれどそれだけではダメなんです。『気密・断熱性能』というハード面での安心感がなければならない。スウェーデンハウスなら、見た瞬間にみんなが安心します。うまく風景に溶け込んでいるけれど、近くまで来ると他とは違う、全体から伝わってくる重厚感、いわゆる安心感がある。私は、それこそがスウェーデンハウスだと思っていたし、実際に出来上がってみて、本当にそうだと実感しています。」と先生はお話しされました。また、先生からのオーダーで、入居者の個室や診療所で過ごす人が明るい気持ちになるように、機能に加えて内装もスウェーデンハウスならではの居心地の良さを感じていただけるように変化を付けました。最後に先生から、死に向かう人たちと、終末医療に携わるスタッフたちの心的・身体的ストレスは計り知れないですが、『場』の持つ空気感でそれを癒すことができる、と語られました。北欧インテリアがアクセントの共用スペース右:カフェ/左:レンタルスペース賃貸集合住宅の居室カタログを取り寄せる収支計画等の提案を依頼したいコンサルティング

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