不動産サービスのご案内 2024年7月号
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   注文住宅はフルオーダー住宅とも呼ばれ、   一から設計を行えます。建売住宅は土地と建物がセットになっており、完成する家屋は予め決まっています。規格住宅はセミオーダーともいい、予め決められた間取りや内装などから選択して建築していきます。次に着工から引渡しまでの期間の違いです。注文住宅は、建売住宅や規格住宅に比べて、検討から引き渡しまでの期間が長くなる傾向にあります。一般的には��ヶ月から�年、長いと�年を要する建物もあります。なかなか引渡しが受けれらないということは、新生活のスタートまで時間が掛かる、ということでもあります。その期間、住まいが賃貸の場合は賃料、売却して住み替えの場合は売却物件の引渡し時期を合わせる難しさが生まれます。住宅ローンを使う方は、当初予定していた金利と実行時の金利が異なり、資金計画が狂ってしまうこともありうることです。しかし、引渡しまでの期間が長いことはデメリットだけではありません。施工依頼主が建築の過程を適宜確認することができます。頻繁に建築現場に通う必要はありませんが、休みの日などに現場に足を運んで、気になる点や疑問があれば、その場で質問・確認することができます。その他では保証期間の長さに違いがあります。ほとんどのハウスメーカーが提供する注文住宅は、一括施工管理されています。竣工後も一定期間の無料点検や保証が付いているのが一般的です。その保証期間は建売住宅の数倍にも及ぶことが珍しくありません。「保証期間の長さ=品質への自信」と捉えることもできます。どの住宅を選ぶかは予算や住む人の価値観次第どの建物、建築方法を選ぶかは予算や住む人の価値観次第ですが、見た目以外にも多くの違いがある、ということを知っておくのは良い事でしょう。具体的な性能面についてはP��に記載しましたので、参考としてください。�� 【前編】建物の違いを知る国内に住宅を建設・供給するハウスメーカーや工務店は約�万�千社あると言われています。各社が自社の特徴や優位性などさまざまな喧伝をしていますが、一般の人にはなかなか違いがわかりにくいもの。多くのハウスメーカーや工務店から自分にとって最適な会社を選ぶために、前編では建物の違いについて解説いたします。どう違う?注文住宅・建売住宅・規格住宅建築費用は注文住宅>規格住宅>建売住宅注文住宅は自由に設計・デザインでき、原則として自分好みの家が建てられます。しかし実際には土地の形(地型)や都市計画法などでエリアごとの制限が掛けられており、全くの自由に建築ができるわけではありません。また、注文住宅は施工依頼主の要望を丁寧にヒアリングし形にしていきます。設計士やデザイナーなど多くの人が携わるため、注文住宅・規格住宅(セミオーダー住宅)・建売住宅と、自由度の高い順で建築費用が高額になる傾向があります。建築費用以外の違い注文住宅とその他の住宅では、建築価格以外にも違いがあります。まずは、設計面。設計・デザインが自由に決められるとお伝えしましたが、それは見た目だけではありません。住む人の人数や、趣味嗜好、これからの家族の成長を踏まえて室内の設計に反映させることができます。例えば、キッチンの天板の高さをもっとも利用する人の身長に合わせたり、コンロの口数、オーブンや食器洗浄機の有無・サイズなどが選べたりします。また、コンセントの数やインターネット環境などインフラ設備を建築時に叶えることにより、デザイン的にも違和感なく、より快適な居住空間となります。一方、建売住宅を選ぶ方は価格面を重視する傾向にあります。そのため、使われている建材も注文住宅とは異なる場合がほとんどです。例えば、外壁と内装ボードの間に入れる断熱材(外気の熱や冷気を室内へ伝達しにくくする建材)の種類や厚みです。実際には建物完成後は断熱材を目視で確認することはできませんので、住みはじめた当初は違いを感じることはないでしょう。しかし、実際に住み続けると、夏は暑く、冬は寒い、といったことになりかねません。それ以外にも、万が一、火事にあった際、断熱材に難燃剤を混ぜた素材でしたら炎の延焼を防ぐ効果がありますが、安価な建材だとそれも望めません。

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